著明な心嚢水貯留を主症状として発症し同種末梢血幹細胞移植が奏効した慢性活動性EBウイルス感染症

書誌事項

タイトル別名
  • Chronic active Epstein-Barr virus infection with marked pericardial effusion successfully treated with allogeneic peripheral blood stem cell transplantation
  • 症例報告 第3回日本血液学会関東甲信越地方会 優秀演題 著明な心嚢水貯留を主症状として発症し同種末梢血幹細胞移植が奏効した慢性活動性EBウイルス感染症
  • ショウレイ ホウコク ダイ3カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ユウシュウ エンダイ チョメイ ナ シンノウスイ チョリュウ オ シュ ショウジョウ ト シテ ハッショウ シ ドウシュ マッショウケツ カンサイボウ イショク ガ ソウコウ シタ マンセイ カツドウセイ EB ウイルス カンセンショウ

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抄録

症例は23歳女性。持続する発熱,息切れを主訴に受診。CTにて著明な心嚢水貯留,肝脾腫,軽度の頸部・縦隔リンパ節腫脹があり,EBV抗体価異常,血中EBV-DNA高値から,慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)と診断した。末梢血リンパ球におけるEBV感染細胞はCD4+T細胞であった。Prednisolone, etoposide, cyclosporineによる治療を開始し,熱型,心嚢水貯留は改善したが,血中EBV-DNAの改善を認めなかったため,フルダラビン,メルファランによる前処置後EBV未感染のHLA一致同胞ドナーより同種末梢血幹細胞移植を施行した。皮膚急性移植片対宿主病(grade 2)を発症したが移植後経過は順調であり,移植後98日目に末梢血EBV-DNAは陰性化し,全身状態良好で無病生存中である。CAEBVはT細胞やNK細胞にEBウイルスが持続感染して発症する予後不良な疾患であり,早期に適切な治療を行い,同種造血幹細胞移植を考慮することが必要である。CAEBVは心嚢水貯留を主症状として発症することもあり,注意すべき徴候であると考えられる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (5), 624-629, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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