血小板凝集能低下により止血が困難であった骨髄異形成症候群

  • 田中 智之
    佐渡総合病院 血液内科 新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 小堺 貴司
    佐渡総合病院 血液内科 新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 北嶋 俊樹
    新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 布施 香子
    新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 小林 弘典
    新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 牛木 隆志
    新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 柴崎 康彦
    新潟大学医歯学総合病院 高密度無菌治療部
  • 森山 雅人
    新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 瀧澤 淳
    新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 曽根 博仁
    新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科
  • 布施 一郎
    新潟県赤十字血液センター
  • 増子 正義
    新潟大学医歯学総合病院 高密度無菌治療部

書誌事項

タイトル別名
  • Myelodysplastic syndrome with refractory hemorrhage due to reduced platelet aggregation activity
  • 症例報告 血小板凝集能低下により止血が困難であった骨髄異形成症候群
  • ショウレイ ホウコク ケッショウバン ギョウシュウノウ テイカ ニ ヨリ シケツ ガ コンナン デ アッタ コツズイイケイセイ ショウコウグン

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抄録

<p>症例は75歳の女性。血液検査で貧血と末梢血に芽球を認められたため,当院を紹介受診した。骨髄穿刺で骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome with excess blasts 2, MDS-EB-2)と診断された。血球減少の進行や芽球の増加,および出血症状はなく経過していた。診断から10ヶ月後,左手母指球に外傷を負い,内出血が持続し,止血困難となったため緊急入院した。血小板数は正常範囲であったが,血小板機能検査でコラーゲン凝集能とアラキドン酸凝集能の低下を認められた。抗血小板薬の内服はなく,またこれまで出血傾向の既往もなかったことから,MDSによる2次性の血小板機能低下による出血と判断し,血小板輸血を行い止血した。MDSの患者では,潜在的に血小板凝集能が低下していることが多く,血小板数の割に出血傾向が強い場合には血小板凝集能を調べ,血小板輸血などの治療介入を検討する必要がある。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (12), 2402-2405, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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