書誌事項
- タイトル別名
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- Time course of diffusion weighted image and apparent diffusion coefficient in acute spinal cord infarction: A case report and review of the literature
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説明
症例は80歳女性.突然腰部から両下腿に激痛が出現し,約30分後に両下肢脱力,感覚低下,尿意消失を呈した.神経所見では完全対麻痺,第1腰髄髄節レベル以下の解離性感覚障害,膀胱直腸障害を認めた.第2病日の腰部MRIのT2強調画像及び拡散強調画像(diffusion weighted image; DWI)で,第1~2腰椎椎体レベルの髄内に強い高信号域を認め,見かけの拡散係数(apparent diffusion coefficient; ADC)は低下しており脊髄梗塞と診断した.経時的にMRIを撮像し,DWIの信号強度は時間と共に減弱し,約1か月後のADC値は高値であった.T2強調画像で浮腫性変化は一旦増強したが,最終的には縮小した.本症例は脊髄梗塞のMRI画像変化を経時的に捉えた点で貴重な症例と思われた.
収録刊行物
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- 臨床神経学
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臨床神経学 56 (5), 352-355, 2016
日本神経学会