自家末梢血幹細胞移植が奏効した<i>K-RAS</i>/<i>N-RAS</i>変異陽性double-refractory myeloma

  • 神保 光児
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 横山 和明
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 小川 弥穂
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 平野 光人
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 越智 清純
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 小林 真之
    東京大学医科学研究所先端医療研究センター 分子療法分野
  • 遊佐 希
    東京大学医科学研究所附属病院 ゲノム診療部
  • 清水 英悟
    東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター DNA情報解析分野
  • 川俣 豊隆
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 安井 寛
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 大野 伸広
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 山口 類
    東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター DNA情報解析分野
  • 井元 清哉
    東京大学医科学研究所ヘルスインテリジェンスセンター 健康医療データサイエンス分野
  • 古川 洋一
    東京大学医科学研究所附属病院 ゲノム診療部
  • 宮野 悟
    東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター DNA情報解析分野
  • 今井 陽一
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科
  • 東條 有伸
    東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科 東京大学医科学研究所先端医療研究センター 分子療法分野

書誌事項

タイトル別名
  • Autologous peripheral blood stem cell transplantation for double-refractory myeloma with <i>K-RAS</i> and <i>N-RAS</i> mutations
  • 症例報告 第6回日本血液学会関東甲信越地方会 奨励賞 自家末梢血幹細胞移植が奏効したK-RAS/N-RAS変異陽性double-refractory myeloma
  • ショウレイ ホウコク ダイ6カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ショウレイショウ ジカ マッショウケツ カンサイボウ イショク ガ ソウコウ シタ K-RAS/N-RAS ヘンイ ヨウセイ double-refractory myeloma

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抄録

<p>Proteasome阻害薬,免疫調節薬の導入により骨髄腫の予後は改善されつつあるが,これらの薬剤への不応例は予後不良である。症例は53歳男性。BJP-λ型骨髄腫,Durie-Salmon III A,ISS stage II,R-ISS stage IIで診断時骨髄よりK-RAS変異,IGH/FGFR3融合遺伝子を検出した。Bortezomib(BTZ),免疫調節薬(lenalidomide,thalidomide,pomalidomide),conventional chemotherapy,局所放射線療法を含む計7レジメンの治療に抵抗性であり,progressive diseaseと判断した。治療後新たにN-RAS変異,CKS1B増幅,C-MYC split signalを検出した。救援療法として大量メルファラン併用自家末梢血幹細胞移植(HD-MEL/ASCT)を行いvery good partial responseを得た。K-RAS変異は予後不良,N-RAS変異はBTZ抵抗性と関連する一方で,RAS変異例はHD-MEL/ASCTに感受性があることも報告されている。本例はK-RASN-RAS変異を同時に有する稀な症例であり,RAS変異が治療抵抗性とHD-MEL/ASCT感受性の双方へ関与していることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (12), 2380-2385, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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