NIMA相補的同胞からの骨髄移植後に多発性漿膜炎を呈した慢性GVHD

書誌事項

タイトル別名
  • Chronic graft-versus-host disease with multiple serositis after bone marrow transplantation from non-inherited maternal antigen-complementary sibling donor
  • 症例報告 NIMA相補的同胞からの骨髄移植後に多発性漿膜炎を呈した慢性GVHD
  • ショウレイ ホウコク NIMA ソウホテキ ドウホウ カラ ノ コツズイ イショク ゴ ニ タハツセイショウマクエン オ テイシタ マンセイ GVHD

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説明

NIMA相補的同胞からの骨髄移植後に慢性GVHDと考えられる多発性漿膜炎の発症を経験した。症例は骨髄異形成症候群の9歳男児。臍帯血移植後の生着不全に対して,HLA 2座不一致でNIMA相補の姉から緊急的に骨髄移植を施行した。生着は順調で,急性GVHDは認められなかった。ウイルス感染症を反復したためtacrolimusを中止したところ,移植後6カ月頃から胸腹水の貯留と浮腫が出現した。methylprednisoloneによるパルス療法で一旦は軽快したが,その後心嚢液の貯留,気胸,体幹の脂肪織炎を認めた。胸水と心嚢液はともに多数のリンパ球を含み,持続的ドレナージで改善した。mycophenolate mofetil (MMF)の導入で症状は軽快し,移植後5年を経てprednisolone 5 mg/dayとMMFの内服で日常生活にほぼ支障はない。GVHDによる多発性漿膜炎の予後は不良であるが,本症例では急性GVHDの発症がなかったこととMMFを投与したことが改善につながったと考えられる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 51 (2), 132-137, 2010

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (13)*注記

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