TS-1による胃癌術後化学療法後に発症した二次性慢性骨髄性白血病

  • 上村 由樹
    高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 血液・輸血科
  • 今井 利
    高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 血液・輸血科
  • 町田 拓哉
    高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 血液・輸血科
  • 志摩 泰生
    高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Secondary chronic myelogenous leukemia following postoperative TS-1 therapy for advanced gastric cancer
  • 症例報告 TS-1による胃癌術後化学療法後に発症した二次性慢性骨髄性白血病
  • ショウレイ ホウコク TS 1 ニ ヨル イガン ジュツゴ カガク リョウホウ ゴ ニ ハッショウ シタ 2ジセイ マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ

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抄録

78歳の男性,2006年8月胃部不快感で上部消化管内視鏡検査を施行される。進行胃癌と診断され,2006年9月に胃全摘術を施行された。術後18日目からTS-1 80 mg/日の内服を開始された。2008年11月より徐々に白血球数が上昇し始め,2009年3月骨髄細胞の染色体解析でフィラデルフィア(Ph)染色体を,末梢血細胞FISHでbcr-abl融合遺伝子を認め,二次性慢性骨髄性白血病(CML)の慢性期と診断された。imatinib 400 mg/日の併用にて白血球数は減少したが,血小板減少,皮疹,浮腫,食欲不振の増強を認めた。imatinibを減量して再開したが,同様の副作用を認めたため中止した。hydroxyurea 500 mg/日の投与により,副作用は認められず,白血球数も正常化した。二次性白血病においては,元疾患の予後を考慮して治療法を選択することも一案と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 51 (7), 559-563, 2010

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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