慢性リンパ性白血病に対するフルダラビン療法後に発症した後天性赤芽球勞

書誌事項

タイトル別名
  • Acquired pure red cell aplasia in a patient with B cell chronic lymphocytic leukemia after fludarabine therapy
  • 症例報告 慢性リンパ性白血病に対するフルダラビン療法後に発症した後天性赤芽球勞
  • ショウレイ ホウコク マンセイ リンパセイ ハッケツビョウ ニ タイスル フルダラビン リョウホウ ゴ ニ ハッショウ シタ コウテンセイ セキ ガキュウロウ

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説明

症例は67歳女性。2001年10月に慢性リンパ性白血病(CLL)と診断。2004年8月から,FC (fludarabine, cyclophosphamide)療法を3コース施行。腫瘍細胞は減少したが,貧血は進行した。骨髄検査で,赤芽球勞(PRCA)と診断し,cyclosporin A (CsA)療法で軽快した。2008年10月より,CLLの増悪に伴って貧血が進行したため,fludarabine療法を施行したところ,腫瘍細胞は減少したが,貧血は遷延した。骨髄検査で,PRCAの再燃と診断し,CsA療法で軽快した。CLLにおけるPRCAは,稀な病態で,背景にあるT細胞を介した免疫異常が原因と考えられている。CLL患者に対するfludarabine療法後に発症したPRCAは,これまで6例報告されており,fludarabineの制御性T細胞障害に起因する自己寛容の破綻が要因と考えられている。CLLに対するfludarabine療法後の進行する貧血に際しては,PRCAの可能性を念頭に入れておくことが重要である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (6), 705-710, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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