脳室炎と類似する画像所見を呈した中枢神経原発悪性リンパ腫

  • 山本 司郎
    神戸市立医療センター中央市民病院神経内科
  • 永野 誠治
    神戸市立医療センター中央市民病院免疫血液内科
  • 芝田 純也
    神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
  • 國枝 武治
    神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科
  • 今井 幸弘
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床病理科
  • 幸原 伸夫
    神戸市立医療センター中央市民病院神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Primary central nervous system lymphoma mimicking ventriculitis
  • ノウシツエン ト ルイジ スル ガゾウ ショケン オ テイシタ チュウスウ シンケイ ゲンパツ アクセイ リンパシュ

この論文をさがす

抄録

症例は66歳男性である.約3週間で,動作緩慢・意欲低下・歩行障害が進行し,見当識障害・尿失禁がみられるようになった.頭部単純MRIでは脳室拡大をみとめ,髄液検査では,単核球優位の細胞数増加,蛋白上昇,糖低下をみとめた.頭部造影MRIでは,脳室周囲・脈絡叢の造影効果をみとめた.髄液ADAが高値を示したことから,結核性髄膜炎がうたがわれたが,最終的には髄液フローサイトメトリーによるリンパ球表面マーカーの解析,遺伝子検査および脳生検から中枢神経原発悪性リンパ腫と診断した.脳室炎と類似した画像所見から発見された中枢神経原発悪性リンパ腫は報告が少なく,鑑別疾患として重要と思われたため報告する.

収録刊行物

  • 臨床神経学

    臨床神経学 53 (10), 831-834, 2013

    日本神経学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ