多発性硬化症様の脳病変をくりかえし,NMDA受容体脳炎を呈した1例

書誌事項

タイトル別名
  • NMDA receptor encephalitis in the course of recurrent CNS demyelinating disorders: A case report
  • 症例報告 多発性硬化症様の脳病変をくりかえし,NMDA受容体脳炎を呈した1例
  • ショウレイ ホウコク タハツセイ コウカショウ サマ ノ ノウ ビョウヘン オ クリカエシ,NMDA ジュヨウタイ ノウエン オ テイシタ 1レイ
  • NMDA receptor encephalitis in the course of recurrent CNS demyelinating disorders: a case report. [Article in Japanese]

この論文をさがす

抄録

症例は31歳女性である.27歳時に左上下肢のしびれが出現し,MRIで脳幹に多発するT2高信号病変をみとめた.その後右動眼神経麻痺をきたし,多発性硬化症と暫定診断した.31歳時に,頭痛,発熱,精神症状後に意識障害と口舌ジスキネジアが出現,ステロイド療法により約3ヵ月で改善した.脳脊髄液の抗NMDA受容体抗体陽性からNMDA受容体脳炎と診断した.腫瘍の合併はなかった.その後も神経症状と脳病変の再発をくりかえした.抗AQP4抗体は陰性で,抗核抗体が陽性であった.抗NMDA受容体抗体が本症例の症状,脳病変に対しどの程度関与するかは明らかではない.NMDA受容体脳炎は多彩な臨床像をふくむ疾患単位である可能性がある.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ