血管免疫芽球性T細胞リンパ腫発症の分子メカニズム

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タイトル別名
  • Molecular mechanisms of angioimmunoblastic T-cell lymphoma
  • ケッカン メンエキ ガキュウセイ Tサイボウ リンパシュ ハッショウ ノ ブンシ メカニズム

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説明

末梢性T細胞リンパ腫(Peripheral T-cell lymphoma, PTCL)に含まれる血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(Angioimmunoblastic T-cell lymphoma, AITL)は,濾胞性ヘルパーT細胞に似た形質をもつことから,従来成熟T細胞由来の腫瘍と考えられてきた。  一方,最近の解析結果から,AITLにおいては,「多段階発がん」モデルが提唱されている。比較的未分化な血液細胞に前がん細胞の成立を促すTET2あるいはDNMT3A変異などの変異が生じることで前がん細胞(前リンパ腫細胞)へと進化する。前がん細胞にさらに腫瘍特異的なRHOA遺伝子変異が加わることにより,腫瘍細胞となる。すなはち,前がん変異と腫瘍特異的変異が組み合わさることによって,特異なリンパ腫の形成を促していると考えられる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (3), 246-252, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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