確定診断前の血小板輸血により神経症状が顕性化したと考えられる血栓性血小板減少性紫斑病

  • 町田 久典
    独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科
  • 篠原 勉
    独立行政法人国立病院機構高知病院 臨床研究部
  • 畠山 暢生
    独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科
  • 岡野 義夫
    独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科
  • 中野 万有里
    独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科
  • 飛梅 亮
    独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科
  • 岩原 義人
    独立行政法人国立病院機構高知病院 内科
  • 大串 文隆
    独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科

書誌事項

タイトル別名
  • Exacerbation of cranial nerurological symptoms by platelet transfusion before the diagnosis of thrombotic thrombocytopenic purpura
  • 症例報告 確定診断前の血小板輸血により神経症状が顕性化したと考えられる血栓性血小板減少性紫斑病
  • ショウレイ ホウコク カクテイ シンダン マエ ノ ケッショウバン ユケツ ニ ヨリ シンケイ ショウジョウ ガ ケンセイカ シタ ト カンガエラレル ケッセンセイ ケッショウバン ゲンショウセイ シハンビョウ

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説明

症例47歳女性。朝食後に嘔吐,その後意識が消失したため救急搬送されてきた。身体所見では,軽度の眼球結膜の黄疸と貧血を認める他に異常なく,神経学的異常所見もみられなかった。末梢血ではHb 5.2g/dl, Plt 0.6×104lと著明な貧血と血小板減少を認めたが,白血球数・分画には異常なく,間接ビリルビンの増加と軽度の肝障害を認める他は生化学検査にも異常はなかった。以上より自己免疫性溶血性貧血と特発性血小板減少性紫斑病の合併であるEvans症候群を疑い,赤血球及び血小板輸血,ステロイド治療など行ったが改善なく,入院第4日に脳梗塞を発症した。<br>脳梗塞の発症後にADAMTS-13活性及び抗原の著減が判明し,血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura: TTP)と診断された。血小板減少を伴う溶血性貧血を見た場合,TTPを疑い,早期にADAMTS-13活性及び抗原を測定し,確定診断を行い,血小板輸血は慎重に行うことが重要である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 53 (1), 105-109, 2012

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (13)*注記

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