13年を経てBCR-ABL陽性クローンが出現しダサチニブ治療が奏効した真性多血症

  • 滝沢 牧子
    群馬大学 大学院医学研究科 生体統御内科
  • 横濱 章彦
    群馬大学 医学部附属病院 輸血部
  • 関上 智美
    群馬大学 医学部附属病院 輸血部
  • 小磯 博美
    群馬大学 医学部附属病院 腫瘍センター
  • 石崎 卓馬
    群馬大学 大学院医学研究科 生体統御内科
  • 三井 健揮
    群馬大学 大学院医学研究科 生体統御内科
  • 小川 孔幸
    群馬大学 大学院医学研究科 生体統御内科
  • 斉藤 貴之
    群馬大学 大学院保健学研究科 生体情報検査科学
  • 半田 寛
    群馬大学 大学院医学研究科 生体統御内科
  • 塚本 憲史
    群馬大学 医学部附属病院 腫瘍センター
  • 村上 博和
    群馬大学 大学院保健学研究科 生体情報検査科学
  • 野島 美久
    群馬大学 大学院医学研究科 生体統御内科

書誌事項

タイトル別名
  • Successful treatment with dasatinib for polycythemia vera patient emerging BCR-ABL positive clone during 13 years of treatment
  • 症例報告 13年を経てBCR-ABL陽性クローンが出現しダサチニブ治療が奏効した真性多血症
  • ショウレイ ホウコク 13ネン オ ヘテ BCR-ABL ヨウセイ クローン ガ シュツゲン シ ダサチニブ チリョウ ガ ソウコウ シタ シンセイ タケツショウ

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抄録

症例は64歳,女性。1998年にBCR-ABL陰性の真性多血症と診断し,ヒドロキシカルバミドの投与を開始した。以後13年間外来通院し治療を継続していたが,2011年に白血球増多と血小板増多が出現し,フィラデルフィア染色体が陽性化した。この時点ではJAK2V617F変異は検出されず,ドミナントなBCR-ABL陽性クローンはJAK2V617F変異陰性と考えられた。慢性骨髄性白血病の併発と考えダサチニブによる治療を開始した。治療が奏効し,BCR-ABL mRNAは減少したが,JAK2V617F変異陽性クローンが再度出現し,血球増多の所見も見られるようになった。本例のように真性多血症の長期経過の後にBCR-ABL陽性クローンが出現する例はきわめて稀であり,その病因についての示唆に富む症例と考え報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 55 (6), 687-691, 2014

    一般社団法人 日本血液学会

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