右中心前回中下部梗塞により失文法を呈した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of agrammatism due to cerebral infarction of the middle-lower part of the right precentral gyrus
  • 症例報告 右中心前回中下部梗塞により失文法を呈した1例
  • ショウレイ ホウコク ミギ チュウシン ゼンカイ チュウ カブ コウソク ニ ヨリ シツブンポウ オ テイシタ 1レイ

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説明

症例は75歳右きき男性で,突然の話しづらさのため受診した.軽度の中枢性左顔面麻痺以外,身体所見に異常なかった.発語努力や構音の歪みはなく錯語もなかったが,自発語は助詞の省略や誤用をともなう電文体様であった.きき手交換歴や左・両手ききの家族歴はない.MRIで右中心前回中下部の限局性新鮮梗塞をみとめた.WAIS-Rの言語性IQ 108,動作性IQ 100,総合IQ 117で,知的レベルの低下はみとめなかった.標準失語症検査の漫画説明では,口頭・書字ともに助詞誤用があった.助詞挿入課題249問中1割で誤使用があり,能動・受動態変換課題でも成績は不良であった.本例は交叉性失語症における失文法症状発現に右中心前回中下部が重要な部位であることを示唆している.<br>

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