宍道湖におけるマダラウミスズメ <i>Brachyramphus marmoratus perdix</i> の初越冬記録

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タイトル別名
  • First Records of Marbled Murrelets Brachyramphus marmoratus perdix Wintering on Lake Shinji, Japan.

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西日本の最大潟湖の一つ,宍道湖で,マダラウミスズメ西太平洋亜種Brachyaramphus marmoratus perdix(DNA分析の結果では独立種 Brachyramphus perdix: Friesen et al. 1996)が,1995年12月22日に2羽,1996年12月28日と翌1997年1月10日に各1羽づつの計4羽,水深3.5-4.0mに設置された3ヵ所の定置網で溺死し,発見された。1羽が生後約半年の幼鳥雄,残り3羽が冬羽の成熟雄であった。東太平洋に生息するB. m. marmoratusは外海沿岸域や内陸湖沼で越夏,越冬することが知られており,perdixも内陸で繁殖することが知られているが,内水面での記録はほとんど残されていない。中海では1939年に1個体が採集されている。水鳥の分布調査が比較的高頻度に行われているにもかかわらず宍道湖では本種の目視記録が残されておらず,1995~1997年の各越冬期の宍道湖と中海での羅網死個体数も,他の潜水性鳥種に比較して1-2桁少なかったため,この内水域での越冬個体数そのものは多くはないと推測される。perdixの総個体数は数万羽であり,主要越冬地が日本の浅水域であると予想されているが,分布の実態は不明である。漁業が与える個体群への影響を含めて日本での生息実態調査が望まれる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205038143872
  • NII論文ID
    130003572880
  • DOI
    10.3312/jyio1952.31.98
  • ISSN
    18833659
    00440183
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
    • OpenAIRE
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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