初尿沈渣からの<I>Chlamydia trachomatis</I>抗原検出の検討

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タイトル別名
  • Study on <I>Chlamydia trachomatis</I> Antigen Detection in First-Voided Urine Sediments
  • 初尿沈渣からのChlamydia trachomatis抗原検出の検討
  • ショニョウ チンサ カラ ノ Chlamydia trachomatis コ
  • Study on Chlamydia trachomatis Antigen Detection in First-Voided Urine Sediments

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説明

モノクローナル抗体を用いた新たなEIAキットであるIDEIA CHLAMYDIA ® (以下IDEIA) (Nobo Nordisk社) により男女各種症例の初尿検体からのC. trachomatis抗原検出の可能性についてChlamydiazyme ® (Abbott社) と比較し検討した.<BR>1. IDEIAによる男子尿道炎 (285例) におけるC.trachomatis抗原検出成績: 抗原検出率は尿道スミアで37.9%(108/285), 初尿沈渣では33.7%(96/285) であった. また尿道スミアC. trachomatis陽性例中初尿沈渣も陽性である検出一致率は82.4%(89/108) であり, 初尿沈渣からの抗原検出も十分, 可能と考えられた.<BR>2. IDEIAとChlamydiazymeによるC. tmckomatis抗原検出率の比較: 両方の検査を行った男子尿道炎 (78例) の尿道スミアおよび初尿沈渣からの抗原検出率を検討した.尿道スミアからの検出率はIDEIAで41.0%(32/78), Chlamydiazymeで37.2%(29/78) であった.また初尿沈渣ではIDEIAで35.9%(28/78), Chlamydiazymeで24.4%(19/78) といずれの検体でもIDEIAの方が検出感度は高かった.<BR>3. IDEIAによるC. trachomatis性女子子宮頚管炎 (28例) におけるC. trachomatis抗原検出成績: 抗原検出率は尿道スミアで46.4%(13/28), 初尿沈渣で60.7%(17/28) と初尿からの検出率の方が高い値であった. すなわち, C. trachomatisによる頚管炎を疑われる症例では頚管スミアのほかに尿道炎の合併の診断のために初尿沈渣からの抗原検索も必要と考えられた.<BR>4. 以上, IDEIAによる初尿沈渣からのC. tranchomatis抗原検出はC. trachomatisによる男子尿道炎の診断法として有用と思われた.<BR>また女子においても臨床的に応用が可能と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 65 (1), 88-95, 1991

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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