急性出血性結膜炎におけるPCR-Stringent Microplate Hybridization法を用いたエンテロウイルス70の検出

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タイトル別名
  • Detection of Enterovirus 70 in Acute Hemorrhagic Conjunctivitis by PCR-Stringent Microplate Hybridization Method
  • キュウセイ シュッケツセイ ケツマクエン ニ オケル PCR-Stringen

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抄録

急性出血性結膜炎 (AHC) 患者からのEnterovirus70 (EV70) の分離は困難である. このためエンテロウイルスに共通なプライマーを用いたRT-PCR法によるEV70の検出と, Stringent Microplate Hybridization (SMH) 法による同ウイルスの型別について検討した.あわせて標準株J670/71と宮崎, 沖縄の両県で流行したEV70をSMH法で比較し, さらにAHCの別の起因ウイルスであるcoxsackievirusA24 variant (CA24v) について標準株EH24/70と千葉, 宮崎両県での流行株の比較をSMH法と交差中和試験で試みた.<BR>1990年に宮崎県で流行したAHC患者の結膜ぬぐい液34件, 1994年に沖縄県で流行したAHC患者の結膜ぬぐい液10件を用い, 対照としてRD-18S細胞で増殖させたEV70の標準株を用いた. その結果, 宮崎県で集められた結膜ぬぐい液34件中26件 (76%), 沖縄県の10件中9件 (90%) から得られたPCR産物はSMH法で全てEV70と型別され, この方法は分離困難なEV70の迅速検出に有用であると思われた. また, SMH法を用いた株間の比較は, 約25年前に分離された標準株と現在の株をプローブとした場合にEV70, CA24vともに反応性に違いが生じ, ウイルスの変異を裏付ける結果となった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (2), 136-141, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (10)*注記

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