血液由来メチシリン耐性ブドウ球菌の検出状況, 性状および薬剤感受性

書誌事項

タイトル別名
  • The Taxonomic Distribution, Characteristic and Susceptibility against Antimicrobial Agents of Methicillin-Resistant Staphylococci Isolated from Blood
  • ケツエキ ユライ メチシリン タイセイ ブドウキュウキン ノ ケンシュツ ジョ

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説明

当ラボの血液由来ブドウ球菌386株について菌種, mecA保有の有無, β-ラクタマーゼ産生, スライム形成, 薬剤感受性およびS. aureusについてはコアグラーゼ型も調べた. 分離菌種は, S. aureus. S. epidermidis. S. capitis, S. caprae, S. hominis. S. simulans, S. haemolyticusおよびS. lugdunensis等, 多彩な菌種を認めた.メチシリン耐性遺伝子であるmecAの保有率は, S. amusで67.7%(84/124), coagulase-negative Staphylococci (CNS) 全体では75.3%(195/259) であり有意差は見られなかった. しかし菌種別ではS. aureusに較べS. epidermidis. S. capraemecA保有率が有意に高く, S. hominisの保有率は低かった. また今回検出されたS. lugdunensis 2株中1株は我々が文献的に調査しえた範囲では報告例のないmec且保有株であった. β-ラクタマーゼ陽性率はmethicillin-resistantS. aureus (MRSA) では77.4%(65/84), methicillin-resistantCNS (MRCNS) では95-9%(187/195) とMRCNSの方が高率であった. スライム形成能は, S. aureusに較べCNSでの形成率が高く, 殊にMRCNSが46.2%(84/182) と顕著であった. 一方, 薬剤感受性はMRSAに較べてMRCNSに耐性株が少なく, 殊にCETについてはMRSAの86.9%が耐性株であったのに対しMRCNSでは5.6%と低率であった. MRCNSの主要菌種ではS. capitis. S. capmeS. epidermidis. S. simulansに較べ, CCL, CMZ, FMOX, FOMに対し, より耐性であり菌種間で差がみられた. CNSにはS. aureusと同等のmecA遺伝子保有率があり, β-ラクタマーゼ保有率やスライム形成能が高い菌種が存在することを考えあわせると, 今後臨床上留意すべきであろう.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 70 (11), 1147-1153, 1996

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (11)*注記

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