バキュロウイルス発現抗原を用いたEIAによるヒトパルボウイルスB19抗体の測定

書誌事項

タイトル別名
  • Serological Diagnosis for Human Parvovirus B19 Infection by an Enzyme Immunoassay Kit with Recombinant Antigens Synthesized in a Baculovirus Expression System
  • バキュロ ウイルス ハツゲン コウゲン オ モチイタ EIA ニヨル ヒト パ

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抄録

ヒトパルボウイルスB19抗体の測定は, 効率的な細胞培養系がなく血清診断用の抗原の供給が限られていることから, 普遍的には行われていないのが現状である.近年, 大腸菌発現抗原に続き, バキュロウイルス発現抗原を用いたEIAが開発されてきた.今回, バキュロウイルス発現抗原を用いたEIAと従来用いられてきたウイルス血症由来のB19抗原を用いたEIAを比較し, さらにPCR法によるDNA検出との相関について検討を行った.PCR法にてB19DNAを認めた伝染性紅斑患者37名の血清について, バキュロウイルス発現抗原を用いたEIAにて, IgMは36名陽性, 1名はIndexが0.99で判定保留であった.IgGはすべて陽性であった.遺伝性球状赤血球症および鉄欠乏性貧血のAplasticcrisis患者4名のB191gMは, すべて陽性であった.バキュロウイルス発現抗原を用いたEIAは臨床検体のB19抗体測定について, ウイルス血症由来のB19抗原を用いたEIAと感受性, 特異性ともほぼ一致しており十分に実用的であり, またPCR法との一致率も高く, B19診断に有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (10), 1135-1140, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (22)*注記

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