ニューキノロン耐性赤痢菌の耐性機序の解明

DOI Web Site PubMed 被引用文献3件 参考文献17件

書誌事項

タイトル別名
  • Mechnism of the Resistnce of <I>Skigell flexner</I> 2 Resistnt to New Quinolone ntibiotics
  • ニューキノロン タイセイ セキリキン ノ タイセイ キジョ ノ カイメイ
  • Mechnism of the Resistnce of Skigell flexner 2 Resistnt to New Quinolone ntibiotics

この論文をさがす

抄録

1995年5月に東京都内の病院に下痢症状を示し, 入院した患者からニューキノロン剤の治療に対して, 臨床的並びに細菌学的に抵抗を示すShigella flexneri 2aがわが国で初めて分離された. この分離株のニューキノロン剤に対する薬剤耐性機序を解明するため, 初発患者ならびに二次感染者から分離した3株と基準株のShigella flexneri 2a TCC29903株 (TCC29903) を用い, 標的酵素であるDNジャイレースサブユニツトA遺伝子 (gyr) のキノロン耐性決定領域 (Quinolone resistance determiningregion, QRDR) の塩基配列の決定および能動的排出機構について比較検討を行ったところ, 患者由来の3株すべてにgyrにおいてSer (TCG)-83→Leu (TTG), sp (GC)-87→Gly (GGC) の二重変異が認められた.また, 能動的排出機構の検討では, 患者由来の3株のうち, tosufioxacinに最もMIC値の高かったtosufloxacin 5日間投与後の再排菌株において, ニューキノロン剤のみかけの菌体内蓄積量の減少が見られたが, プロトンポンプ阻害剤を添加すると回復した. 以上のことから入院患者分離菌株および二次感染者からの分離菌株の耐性はニューキノロン剤に対するgyrAの二重変異によるものと考えられ, 再排菌株はgyr の変異に加えて能動的排出機構の関与が示唆された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (4), 365-370, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (17)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ