急性白血病患者の化学療法に伴う顆粒球減少時の真菌感染予防法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Prevention of Invasive Fungal Infection during Chemotherapy-Induced Neutropenia in Patients with Acute Leukemia
  • 急性白血病患者の化学療法に伴う顆粒球減少時の真菌感染予防法の検討〔英文〕
  • キュウセイ ハッケツビョウ カンジャ ノ カガク リョウホウ ニ トモナウ カ

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抄録

当科に於て, 急性白血病患者の化学療法後の穎粒球減少時に真菌感染予防のために試みられた, Amphotericin B (Amph B) のネブライザーによる経気道投与 (A吸入), Laminar air flow system (LAF), Amph B経口投与 (A), Fluconazole経口投与 (F) の臨床的予防効果についてretrospectiveに検討した.<BR>1985年から1992年の7年間に当科に入院した急性白血病患者104例と骨髄移植患者62例に観察された延べ420回の穎粒球減少のエピソード (穎粒球数500/μl以下の期間が10日間以上持続したもの) を対象とした.それぞれのエピソードについてA吸入 (1回5~10mgを超音波ネブライザーにて1日3回投与), LAFの使用, A (2,400mg/日, 分3), F (200mg/日, 分1) の有無と真菌感染症の有無について検索した.真菌感染については, 血液培養, あるいは剖検や生検により確認されたもののみを確診例として扱った.真菌感染確診例の頻度は, (1) A単独: 7/115 (6.1%), (2) A+A吸入: 6/141 (4.2%), (3) A+A吸入+LAF: 1/95 (1.1%), (4) F+A吸入: 1/37 (2.7%), (5) F+A吸入+LAF: 0/32 (0%) であった.このうちinvasive aspergillosisについては (1) 群及び (2) 群に於てそれぞれ2回ずつ観察されているが, 他群では観察されなかった.<BR>LAFの使用は, 他の方法と併用することにより真菌感染症をさらに減少させうると思われた.A吸入についてはinvasive aspergillosisの予防効果を含め併用効果は明らかではなかった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 68 (3), 327-331, 1994

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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