びまん性汎細気管支炎に対するazithromycinの臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Azithromycin in Treatment of Diffuse Panbronchiolitis
  • ビマンセイ ハン サイ キカンシエン ニ タイスル azithromycin

この論文をさがす

抄録

びまん性汎細気管支炎を対象に, 新規の15員環マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) の有効性, 安全性を検討した.<BR>合計60例の症例にAZM250mgを1週2回, 原則として3カ月間間欠投与し, 臨床効果52例, 安全性55例を検討の対象とした.<BR>AZM投与による有効率は84.6%(44/52) であった.投与12週後の臨床所見では, 喀痰量が46例中30例に, 労作時息切れは46例中23例に改善がみられ, いずれも悪化例はみられなかった.その他, 肺括量, 1秒量, 寒冷凝集反応, CRPについても改善傾向がみられた.常在菌を除いた喀痰分離菌38株のうち15株が消失した.そのうちPseudomonas aeruginosaは22株が検出され, 4株が消失した.<BR>副作用は55例中4例 (7.3%) にみられ, その内訳は皮疹, 掻痒感, 下痢, 胃症状 (胃もたれ) 各1例であった.臨床検査値の異常変動は54例中4例 (7.4%) に見られ, その内訳は好酸球の増多2例, GOTの上昇1例, Al-Pの上昇1例であった.これらの副作用, 臨床検査値異常変動の程度はいずれも軽度または中等度であった.<BR>AZMの1週2回間欠投与による長期療法には, びまん性汎細気管支炎に対して, 現在有用性の認められているerythromycin, clarithromycin等の14員環マクロライドの長期少量投与と同様の有用性が期待された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (6), 711-722, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (25)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ