東京およびその周辺地域のヒトロタウイルスの流行疫学について

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タイトル別名
  • Epidemiology of Rotavirus Infection Around Tokyo Area
  • トウキョウ オヨビ ソノ シュウヘン チイキ ノ ヒトロタ ウイルス ノ リュ

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抄録

東京およびその周辺地域 (以下, 東京地域) の主として3病院 (帝京大学付属病院, 東京厚生年金病院, 春日部厚生病院) の小児科で1981年から1988年までのロタウイルスの流行疫学を行なった. ロタウイルスの血清型は, 池上らが報告した関西の2病院とは異なるものの (文献6, 13), 3病院間では際だった差は見られず, A群の1, 4型が多くを占めていた. A群の2, 3, 9型の頻度は年によって異なるものの一般的には少なかった. RNAの電気泳動型を詳細に検討した結果は異なった泳動型が1期間内, 1病院内で見られるとともに, 同一の泳動型が年, 病院を越えて存在することがわかった. 異なった血清型で同一の泳動型を示す株群の存在は見い出せなかった.この3病院では, C群ロタウイルスの頻度は少なかったが, 1987年から見い出されるようになった. 今までにこのような長期間にわたる血清型および電気泳動型についての研究は少なく, ロタウイルスのワクチンの開発のためにも重要な事と思われた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 63 (7), 732-737, 1989

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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