Compromised hostの敗血症の臨床細菌学的解析

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タイトル別名
  • Bacteremia in the Compromised Host
  • Compromised host ノ ハイケツショウ ノ リンショウ サイキン

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抄録

1975年11月の開院から1982年12月までの埼玉県立がんセンターにおける血液培養施行例569例中陽性例は163例28.6%であった. 陽性例の死亡数138例中, 培養陽性後3日以内の死亡は48例34.8%であった. 197回の感染があり, 起炎菌の年次推移において, 1981, 1982年にグラム陽性球菌 (主に黄色ブ菌) の占める割合が増加した. 全体の分布はグラム陽性球菌14.2%, グラム陽性桿菌5.6%, グラム陰性桿菌60.4%, 真菌11.2%, 複数菌8.6%であった. グラム陽性球菌で最も多かったのは表皮ブ菌 (11株), 次いで黄色ブ菌 (9株) であった. グラム陰性桿菌では緑膿菌を除く非発酵菌 (44株), 次いで大腸菌 (23株), クレブジェラ (18株), 緑膿菌 (9株) の順に多く, 真菌ではカンジダ (18株) が多かった.複数菌の菌の分布は単一菌の分布と類似した. 基礎疾患は白血病, 悪性リンパ腫などの血液疾患39.3%, 消化器癌27.6%, 乳癌5.5%, 口腔・咽喉頭癌5.5%, その他の悪性腫瘍13.5%, 非悪性腫瘍8.6%であった.<BR>動・静脈留置カテーテル (中心静脈栄養カテーテルが主) 抜去後の先端部の培養を225症例に271回施行し, 131回48.3%に菌を分離した.ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌が最も多く, 次いで表皮ブ菌であった. 血液培養が3日以内に施行されている症例での菌の一致率は低かった. 一致例6例は全てカンジダであった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 58 (2), 121-129, 1984

    一般社団法人 日本感染症学会

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