ELA (enzyme labelled antigen) によるCMV-IgMの測定

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タイトル別名
  • Detection of IgM Antibodies to Cytomegalovirus Using an Enzyme-Labelled Antigen (ELA)
  • ELA enzyme labelled antigen ニ ヨル CMV Ig

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抄録

特異的なCMV-IgM抗体を検出することでCMV感染の迅速診断ができる. しかしIgM抗体測定にはリュウマチ因子 (RF) による非特異的反応が問題になる. そこでRFによる非特異的反応が少ない, Captured-ELA (IgM-ELAキット) で, IgM抗体に分画した患者血清と, CMV感染患者のペア血清を用いて, IgM抗体測定の特異性について検討した. 更にCMV抗体陽性の新生児について, IgM抗体の保有率を調べた.<BR>1) ELAキットはRFには非特異反応が見られなかった. 2) 分画IgM抗体を用いた測定でもELISA法と比較して検出感度に差がなかった. 3) 初感染の乳幼児の成績ではウイルス分離とIgM抗体の検出は一致した (6/6名). 4) CMV感染例のペア血清で, CMV-IgM抗体測定の特異性が確認された. 5) CF抗体保有の新生児でのIgM抗体の保有率は, 出生後13日以内で11.7%, 30日で31%であった. これらIgM抗体陽性の新生児 (生後13日以内) はCF抗体価に相関性は見られなかった. 以上の成績からIgM抗体-ELAによるIgM抗体測定はCMV感染の迅速血清診断として使用できるという結論を得た. また免疫の低下が見られる急性リンパ性白血病の寛解されない例で, 肝障害と共にIgM抗体および高CF抗体が長期 (2年間) 持続する症例を経験した.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 61 (5), 587-595, 1987

    一般社団法人 日本感染症学会

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