水痘に関する血清疫学的調査研究

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タイトル別名
  • A Seroepidemiological Study on Varicella
  • スイトウ ニ カンスル ケッセイ エキガクテキ チョウサ ケンキュウ

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抄録

1978年から1985年にかけて0歳から10歳児を対象に水痘中和抗体測定ならびに問診による水痘既往歴調査を行った.0~3歳, 4~6歳, 7~10歳の8年間における抗体保有率は, それぞれ49.0%, 70.8%, 88.8%で, 水痘好発年齢層では1979年および1983年にピークを示し, ほぼ4年サイクルの流行パターンが推察された.特に1983年の抗体保有率は他年よりも高く, 水痘患者発生数との相関性が認められた.水痘罹患歴のない乳児の抗体保有率は, 1~3ヵ月齢では78~73%, 以後, 7ヵ月齢で最低値を示し, 母体からの移行抗体持続期間は, 生後ほぼ6~7ヵ月間と考えられた.問診調査で水痘に罹患する年齢は5歳時が最も多く, 全体の96%が7歳までに罹患しており, 抗体調査結果との関連性が示された.水痘既往歴がないと問診回答した小児の不顕性感染率は1~3歳, 4~6歳, 7~10歳でそれぞれ48.3%, 58.7%, 61.6%であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 61 (7), 783-788, 1987

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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