新潟県内高齢者施設におけるA型インフルエンザウイルスのアマンタジン耐性株 (Ser-31-Asn遺伝子型, genotype) 出現頻度

書誌事項

タイトル別名
  • Incidence of Amantadine-resistant Influenza A (genotype Ser-31-Asn) in Nursing Homes in Niigata, Japan
  • ニイガタ ケンナイ コウレイシャ シセツ ニ オケル Aガタ インフルエンザウイルス ノ アマンタジン タイセイカブ Ser 31 Asn イデンシガタ genotype シュツゲン ヒンド

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説明

アマンタジンは抗インフルエンザ剤であるが, 投与後に耐性株が容易に出現する. 本剤は1975年より抗パーキンソン薬とし, 更に1998年末にA型インフルエンザへ適応追加され, その直後から処方量が急増し, 耐性株の増加が懸念された.<BR>この耐性化はウイルスM2蛋白膜通過部位の4つのアミノ酸変異が関連し, 我々は31番の変異 (genotype Ser-31-Asn) が約8割を占めることを明らかにしてきた. この事実から, 咽頭ぬぐい液から直接的にこのgenotypeを検出するPCR-RFLP (PCR-restriction fragment length polymorphism) 法を用い, 新潟県内高齢者施設における耐性株出現頻度を検討した.<BR>1998/99年シーズンにおいて, 新潟県内8高齢者施設のインフルエンザ患者141件のRT-PCR陽性中, 31件 (220%) が耐性株であり, アマンタジン内服者は6件 (194%) と少数のみであった. 6施設でアマンタジンが抗パーキンソン剤として投与されていたが, 抗インフルエンザ剤として用いたのは4施設のみであり, 両群での耐性株出現頻度は14.0%, 255%であったが有意差を認めず, 耐性株のみの施設内流行は見られなかった.<BR>以上, 本研究において, 抗インフルエンザ剤としての使用施設のみならず, 抗パーキンソン病剤としての使用施設でも同程度に耐性株が高い頻度で検出されることが初めて示された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (8), 646-652, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (16)*注記

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