呼吸器感染症に対するHBKとAmikacinの薬効比較成績

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タイトル別名
  • Comparative Clinical Trial of HBK and Amikacin (AMK) in the Treatment of Respiratory Infections
  • 呼吸器感染症に対するHBKとAmiracinの薬効比較成績
  • コキュウキ カンセンショウ ニ タイスル HBK ト Amiracin ノ ヤッコウ ヒカク セイセキ

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抄録

新しいアミノ配糖体系抗生物質HBKの呼吸器感染症 (肺炎・肺化膿症および慢性気道感染症) に対する有効性と安全性を比較する目的で, amikacin (AMK) を対照薬として全国50機関のもとで二重盲検比較試験を行った. 使用した薬剤は, HBK 1日200mg (力価) とAMK 1日400mg (力価) であり, 1日2回, 14日間筋注を原則とした.成績は以下のとおりであった.<BR>1. 小委員会判定による総合臨床効果は, HBK群100例で56.0%, AMK群99例で64.6%の有効率で, 両群の間に有意の差は認められなかった. また主治医判定による総合臨床効果も, HBK群97例中63.9%, AMK99例中61.6%で, 両薬剤群間に有意の差は認められなかった.<BR>2. 細菌学的効果を, 小委員会判定による消失率でみると, HBK群38.8%, AMK群37.5%で, 両薬剤群間に有意の差を認めなかった.<BR>3. 副作用については, 小委員会判定による発現率でみると, HBK群では108例中10例, 9.3%に出現したのに対し, AMK群105例では全く発現がみられず, HBK群で有意に高かった. 臨床検査値異常の出現率では, 両薬剤群間に有意差は認められなかった.<BR>4. 有用性は小委員会判定で, HBK群104例で53.8%, AMK群99例で64.6%で, 両薬剤群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の結果より, 呼吸器感染症に対しHBK 200mg (力価)/日は, AMK 400mg (力価)/日とほぼ同程度の有用性を有するものと考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 61 (1), 22-53, 1987

    一般社団法人 日本感染症学会

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