ろ紙片使用による微量血の日本脳炎ウイルスELISA抗体価の測定

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement of Antibodies to Japanese Encephalitis Virus by the Enzyme-Linked Immunosorbent Assay Using a Small Quantity of Blood Absorbed on Filter Paper Discs
  • ロシヘン シヨウ ニ ヨル ビリョウ ケツ ノ ニホン ノウエン ウイルス E

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抄録

採血ろ紙にヒト血液の微量を吸収させ, 乾燥後, 円板状ろ紙片をパンチャーで切り抜き, これを希釈液を加えたELISAプレートの穴に入れて, 抗体の溶出を行うと同時に抗原抗体反応を進行させた. ろ紙片を除去した後, 常法に従い吸光度を測定した. このELISA法 (ろ紙片) を用いて, 日本脳炎ウイルスに対する抗体価を測定した. ろ紙片を入れた直後および反応の中間で1分間振とうすると, 測定値の変動を少くすることが出来た. 採血ろ紙の血液吸収部からのろ紙片の切り抜きに際し・中心部を用いても周辺部でも測定値に影響はみられなかった. 採血ろ紙をビニール袋に入れてフリーザーに保存すると, 抗体価には影響はなかった. 冷蔵庫に保存すると10日後に抗体価は5%減少し, 60日後には16%減少した. 採血ろ紙を室温に保存すると, 10日後には, 21%, 60日後には37%の抗体価の減少をみた.<BR>ELISA法 (ろ紙片) の再現性は極めて高く, 2回の実験で得られた測定値の相関係数は0.98であった. 常用ELISA法, 赤血球凝集阻止反応の間の相関係数は0.91~0.94であり, 高い相間性を示した. 中和反応と他の測定法で得られた抗体価の間の相関係数は0.81~0.87であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 59 (11), 1135-1141, 1985

    一般社団法人 日本感染症学会

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