当院における粟粒結核の臨床的検討

  • 平塚 雄聡
    独立行政法人国立病院機構宮崎東病院呼吸器科
  • 有村 保次
    独立行政法人国立病院機構宮崎東病院呼吸器科
  • 伊井 敏彦
    独立行政法人国立病院機構宮崎東病院呼吸器科

書誌事項

タイトル別名
  • A Clinical Study of Miliary Tuberculosis
  • 当院〔独立行政法人国立病院機構宮崎東病院〕における粟粒結核の臨床的検討
  • トウ イン ドクリツ ギョウセイ ホウジン コクリツ ビョウイン キコウ ミヤザキ ヒガシビョウイン ニ オケル ゾクリュウ ケッカク ノ リンショウテキ ケントウ

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説明

1994年から2003年までの10年間に当科に入院した粟粒結核 18例 (男性4例, 女性14例, 63. 9±24.0歳) を対象として検討した. 結核の既往のあるものは1例であった. 基礎疾患のあるものは6例で, うち3例ではステロイドが投与されていた. 結核菌は喀痰から塗抹61%, 核酸増幅同定79%, 培養94%で検出された. 胸部CTでは全例に両肺びまん性小粒状影が認められ, びまん性浸潤影を呈した症例が22%であった. 粟粒結核症例ではその他の結核症例 (240例) と比較して栄養状態 (body mass index, 血清総蛋白, 血清アルブミン) が不良で, 末梢血リンパ球数も少なかった. 入院中の死亡は5例あり, うち3例は粟粒結核による死亡で, 2例は心疾患による死亡であった. 粟粒結核で死亡した3例は全てDICを合併し, 2例がARDSを呈した. 死亡例は治癒した症例と比較して栄養状態が不良であり, 血小板数の減少が認められた. 死亡例のうち2例で前医にて発熱に対してステロイドの単独投与が行われていた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 78 (11), 929-934, 2004

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (8)*注記

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