血液培養ボトルの自動培養装置への装填遅延が判定結果へ及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of Delay of Blood Cultures on Positive Detection by Automated Blood Culture System
  • ケツエキ バイヨウ ボトル ノ ジドウ バイヨウ ソウチ エ ノ ソウテン チエン ガ ハンテイ ケッカ エ オヨボス エイキョウ

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抄録

試料を接種した血液培養ボトルの培養開始までの放置時間が機械的判定に及ぼす影響を, 主要血液培養装置2機種, BACTEC 9240 systemおよびBacT/ALERT 3D systemを用い比較検討した.<BR>血液培養より主に分離されるグラム陽性球菌5菌種, 嫌気性菌を含むグラム陰性桿菌7菌種とCandida parapsilosisの13菌種を試験菌とした. 血液ボトルはBACTEC 92F, 93FおよびBacT/ALERTFA, FNを使用した.<BR>試験菌を接種した各ボトルは, 直ちに培養開始したものと24, 42, 48, 54, 72時間室温で放置後, それぞれの自動培養装置にて培養, 判定を行った.<BR>BACTEC 9240 systemにおいて腸内細菌の多くに対し機械的判定に放置の影響が見られた. Enterococcusfaecalis, Pseudomonas aeruginosaは42時間放置で10試料中5~6試料が陽性と判定されなかった. 一方, BacT/ALERT 3D systemはAcinetobacter calcoaceticusに対して, 42時間の放置で10試料中3試料が陽性と判定されなかった以外は, ほとんど陽性と判定された. 機械的に陽性を示さなかった両ボトルともStreptococcusの一部を除きサブカルチャーによって菌が検出された.<BR>以上の結果から, 血液培養システムによっては検体接種後の放置時間が陽性判定に顕著に影響することから, 速やかな培養が必要であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 78 (11), 959-966, 2004

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (8)*注記

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