整形外科術後感染予防についてのアンケート報告

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タイトル別名
  • A Questionnaire Survey on the Theory of Postoperative Infection Prophylaxis in Orthopedics
  • セイケイ ゲカ ジュツゴ カンセン ヨボウ ニ ツイテ ノ アンケート ホウコク

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抄録

整形外科医を対象とした術後感染予防アンケート調査 (回答率: 54.9%) の結果, 以下の事項については強く認識されていた. すなわち, 感染予防薬の選択基準は,(1) 手術時に汚染すると予想される細菌 (ブドウ球菌属, 連鎖球菌属) に対して抗菌力を有する薬剤を選ぶ,(2) 汚染菌の発育阻止可能な濃度が目的部位で達成される薬剤を選ぶ,(3) 重篤な副作用が考えられる薬剤であってはならない,(4) 常在菌叢など生体環境を乱さない薬剤を選ぶ,(5) 代表的な予防薬はペニシリン薬や第1~2世代セフェム薬である, などであった.薬剤の投与方法については, 通常常用量を点滴静注で投与すること, 初回投与は術前の30分以内に投与開始し, 手術中を通し, 有効血中濃度を保つことの重要性が認識されていた.さらに術後感染が疑われる場合には, 早期治療にとして予防薬を中止し, 予防薬とは交差耐性を持たない薬剤に変更するという原則が強く認識されていた.使用される予防薬は, 無菌手術 (異物の留置に関係なく) や骨折などの緊急手術 (汚染手術) でcefazolin (CEZ) の頻度が最も高く, 次いでcefotiam (CTM), flomoxef (FMOX) の順で選ばれていた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 75 (5), 398-405, 2001

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (20)*注記

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