合成ペプチド抗原を用いた抗<I>Chlamydia trachomatis</I>抗体の検出

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タイトル別名
  • Detection of Anti-<I>Chlamydia trachomatis</I> Antibody by Means of Enzyme Immunoassay Using Synthetic Peptide Antigen
  • 合成ペプチド抗原を用いた抗Chlamydia trachomatis抗体の検出(第72回日本感染症学会総会学術講演会座長推薦論文)
  • ゴウセイ ペプチド コウゲン オ モチイタ コウChlamydia trachomatis コウタイ ノ ケンシュツ ダイ72カイ ニホン カンセンショウ ガッカイ ソウカイ ガクジュツコウエンカイ ザチョウ スイセン ロンブン
  • Detection of Anti-Chlamydia trachomatis Antibody by Means of Enzyme Immunoassay Using Synthetic Peptide Antigen

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抄録

Chlamydia trachomatis感染症の診断のために新しく開発された抗体検出キット, ペプイドクラミジア-IgG, -IgA (LOY, 明治乳業) の有用性を検討した. 本キットは合成ペプチドを抗原とした酵素免疫測定法 (EIA) である. microimmunonuorescence法 (MIF) を標準法として, 比較検討した. 一部セロイパライザクラミジア-IgG, -IgA (sero-IPALISA, 明治乳業) およびimmunoblot法 (1-B) も用いた. 対象血清に50例の小児血清, 130例の産婦人科受診患者血清を用いた. その結果, 26例の小児血清がMIFで抗Chlamydia pneumoniae IgG陽性であったが, LOYでは全て陰性であった. これは抗C. pneumoniae抗体の存在がLOYの結果に影響しないことを示す.<BR>一方, 産婦人科受診患者血清90例 (C. frachomatis感染患者を含む) のMIFを標準としたIgG抗体検出の全体, 陽性および陰性一致率は, LOYでは87.8%, 90.0%, 70.0%, sero-IPALISAでは85.6%, 85.0%, 90.0%, 1-Bでは92.0%, 94.9%, 70.0%であった. このようにIgG抗体の検出では, LOYは他の2法とほぼ同様の比較的高い一致率が得られた.<BR>IgA抗体の検出においては, しかしMIF (-) LOY (+) の血清が多数みられ一致率は著しく低値であった. これらの不一致の原因を明らかにするため, 子宮頸管スワブのIDEIAクラミジア (R) が陰性であった34例の産婦人科受診患者血清について, MIFとLOYによる測定を行った. その結果, IgG (またはIgA) 抗体検出の全体一致率, 陽性一致率, 陰性一致率は順に91.2% (88.2%), 100% (0/0%), 90.9% (88.2%) であった. また, 6例の血清 (MIF (+) LOY (+) 1例, MIF (-) LOY (+) 5例) をL2菌体で吸収したところ, 菌体量に応じIgA抗体測定の吸光度が低下した. これらの成績からLOYは微量のC. trachomatis特異的IgA抗体を検出していることが推測された<BR>以上のことからLOYは抗C. trachomatis抗体検出法として有用なキットであると思われる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (7), 633-639, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (17)*注記

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