小児市中肺炎および血液培養陽性肺炎球菌性肺炎の罹患率調査

書誌事項

タイトル別名
  • Incidence of Community-acquired Pneumonia and Pneumococcal Pneumonia, Among Children in Chiba City, Japan
  • ショウニ シチュウ ハイエン オヨビ ケツエキ バイヨウ ヨウセイ ハイエン キュウキンセイ ハイエン ノ リカンリツ チョウサ

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説明

[はじめに]日本では肺炎球菌性肺炎を含めた小児市中肺炎の発症頻度は不明な点が多い. 今回我々は肺炎球菌結合型ワクチン導入前の基礎調査として, 人口に基づく小児市中肺炎および血液培養陽性肺炎球菌性肺炎の発症頻度について調査を行った. [対象と方法]千葉市内の患者が入院する可能性のある千葉市内小児科入院施設10施設11科, および千葉市周辺の小児科入院施設9施設9科に, 2005年1月1日から12月31日までに入院した小児市中肺炎の患者数および血液培養陽性肺炎球菌性肺炎の患者数についてアンケートを用いて後方視的に検討した. [結果]アンケート回収率は100%であった. 2005年の千葉市在住小児市中肺炎入院例は984名で, このうち5歳未満は854名, 5歳未満小児人口1000名あたりの発症率は19.7人/年であった.血液培養陽性の肺炎球菌性肺炎は5例あり, このうち4例が5歳未満であり, 発症率は5歳未満人口10万人あたり92人/年であった. [考察]先進国から出された小児市中肺炎の発症率に関するいくつかの最近の報告と比較して, 今回の結果は高いものであった. 血液培養陽性肺炎球菌性肺炎の発症頻度は既報と同程度であった. ただし, 各国より出されたいずれの報告も症例診断基準や集計方法が一定ではなく, 結果の比較には注意を要する. より正確に他国のデータと比較するためには同一の画像診断基準を用いて集計をすることが必要と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 82 (6), 624-627, 2008

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (18)*注記

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