本邦における1997年7月以降3年間の小児化膿性髄膜炎の動向

書誌事項

タイトル別名
  • The Trend of Childhood Bacterial Meningitis in Japan (1997.7-2000.6)
  • ホンポウ ニ オケル 1997ネン 7ガツ イコウ 3ネンカン ノ ショウニ カノウセイ ズイマクエン ノ ドウコウ

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抄録

1997年7月から2000年6月迄の3年間に発症した小児化膿性髄膜炎に関する全国調査を行い, 以下の結果を得た. 小児化膿性髄膜炎の症例数は3年間に428例あり, 年間小児科入院1.000人あたり1.1-1.7人であった. 年齢分布は1歳未満が最も多く, 年齢が高くなるとともに発生は少なくなる. 1歳未満のうち1カ月未満が, 1カ月未満のうちでは生後7日以内が多かった.<BR>原因菌としてはインフルエンザ菌が最も多く, 肺炎球菌, B群レンサ球菌, 大腸菌の順であった.<BR>原因菌の年齢分布についてはB群レンサ球菌と大腸菌は4カ月未満に, 肺炎球菌とインフルエンザ菌は3カ月以上に分布していた.<BR>各施設で実施された薬剤感受性の結果ではインフルエンザ菌の25.3%, 肺炎球菌の38.7%が耐性であった. 保存されて送付されたインフルエンザ菌, 肺炎球菌について耐性遺伝子解析では, 耐性菌の割合は更に高くなり, 従来のampicillin (ABPC)+cefotaxime (CTX) の治療では十分な効果が得られない症例の増加が予想され, 治療法の再検討が必要と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 75 (11), 931-939, 2001

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (20)*注記

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参考文献 (15)*注記

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