1994年から1998年における北海道の小児細菌性髄膜炎

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Bacterial Meningitis in Hokkaido between 1994 and 1998
  • 1994ネン カラ 1998ネン ニ オケル ホッカイドウ ノ ショウニ サイキンセイ ズイマクエン

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説明

北海道内の小児科標榜施設98施設を調査対象として, 細菌性髄膜炎に関する調査票を送付した. 98施設のうち78施設から回答が得られ, 回収率は79.6%であった. その中から院内感染例および原因菌や予後が不明な例を除外した82名について検討した. 患者数は1994年から1997年までは1年に9から16名であったが, 1998年は30名と著増していた. 原因菌の頻度はHaemophilus influenzaeが49名を占めており, ついでStreptococcus pneumoniaeが14名, Streptococcus agalactiaeが10名, Escherichia coliが5名であった. 年齢別ではH. influenzaeS. pneumoniaeは1歳未満が多かったが学童期まで患者がみられた. S. agalactiaeはすべて生後3カ月未満の児であり, E. coliもすべて生後5カ月未満の児であった.<BR>H. influenzae, S. pneumoniae, S. agalactiae, α-streptococcus, がそれぞれ1名ずつ計4名 (4.9%) が死亡した. 後遺症は24名 (29.3%) にみられた. 後遺症の内容は難聴のみが8名と最も多いが, てんかん4名, 脳性麻痺4名などの重篤な例が少なくなかった.<BR>症例が多かったH. influenzaeによる髄膜炎では発症から治療までの期間が短い, 初診時の血清CRPが低い, 髄液細胞数が少ない例で予後は良好であった (p<0.05).

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (4), 339-344, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (12)*注記

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