<I>Mycoplasma genitalium</I>の細菌学的性状ならびに呼吸気道への病原性に関する実験的検討

書誌事項

タイトル別名
  • M. genitalium; Studies on Biological Characteristic and Pathogenicity in the Experimental Animal Respiratory Tract
  • Mycoplasma genitaliumの細菌学的性状ならびに呼吸気道への病原性に関する実験的検討
  • Mycoplasma genitalium ノ サイキンガクテキ セイジョウ

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抄録

新種のヒト由来マイコプラズマであるMycoplasma genitaliumG37株を用いて, 細菌学的, 血清学的ならびにハムスター肺および気管を用いての病原性を検討した.<BR>細菌学的性状は, 病原性と関連するいくつかの性状を併せもっていた.血清学的には, M.pneumoniaeと共通抗原を有して交叉反応を認め, M.pneumoniae肺炎患者血清を用いた検討でも明らかな相関が認められた.また両菌株間の血清学的同定法として, 発育阻止試験や代謝阻止試験が有用であると思われた.<BR>ハムスターを用いた肺感染実験では, M.pneumoniaeとほぼ同等の病理学的変化をみとめ, 病原性を有すと思われる所見が得られた.また肺や気管より菌が分離されたことから, このM.genitaliumは呼吸気道においても増殖を繰り返し, 病変を惹起しているものと考えられた.気管の器官培養系を用いた感染実験では, M.pneumoniaeには劣るものの, 病原性を有すと思われる所見が得られた.<BR>以上の成績より, M.genitaliumはヒトの呼吸器系にも感染症を惹起する可能性が示唆され, 今後臨床面での菌の分離や, 病原性の検討が必要であることを考えさせた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 60 (6), 579-591, 1986

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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