わが国全土におけるLegionellaの分布調査および検出菌の病原性に関する研究

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タイトル別名
  • Studies on Ecological Distribution of Legionella Species in Japan and Pathogenicity of Environmental Isolates
  • ワガクニ ゼンド ニ オケル Legionella ノ ブンプ チョウサ オヨ

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説明

Legionellaについてのわが国における広範囲の疫学的調査は, 未だなされていない. 著者は, 全国各地の各種環境材料 (冷却塔の冷却水, 土壌, 病院内の検査材料など) からLegionellaの検出を試み, 検出した菌の病原性については, 臨床分離菌株と比較検討を行なった. 特に冷却塔の冷却水については全国調査を行ない, 343ヵ所の冷却塔のうち126検体 (36.7%) からLegionellaを検出し, 本菌属はわが国に広く分布していることを明らかにした. 冷却塔からの検出菌の内訳は, L. pneumphilaserogroup 1が110株 (66.3%), 3が2株 (1.2%) 4が12株 (7.2%) 6が3株 (1.8%), L. bozemaniiが12株 (7.2%), Legionella like organismが27株 (16.3%) であった. 土壌からは, 28検体中5検体 (17.9%) からの8株が分離され, その内訳はL. pneumophila serogroup1が5株, 4が2株, 5が1株であり, 水たまりからはjL. pneumophila serogroup1が1株分離された.<BR>今回分離された菌株は, リムルステストによるエンドトキシン活性は, 臨床分離株とほとんど差異を認めなかったが, マウスに対する腹腔内感染実験では, 臨床分離株に匹敵するvirulenceを持つものとvirulenceの弱い株とが認められた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 57 (8), 682-694, 1983

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (20)*注記

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