2011/2012 シーズンにインフルエンザA 感染を契機として 入院となった症例の検討

  • 佐藤 亮太
    国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科
  • 大島 信治
    国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科
  • 井上 恵理
    国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科
  • 赤司 俊介
    国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科
  • 川島 正裕
    国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科
  • 永井 英明
    国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Features of Hospitalized Cases due to Influenza Virus A Infection in the 2011/2012 Season
  • 2011/2012シーズン ニ インフルエンザ A カンセン オ ケイキ ト シテ ニュウイン ト ナッタ ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

当院で2011/2012 シーズンにインフルエンザA 感染を契機に入院した症例は18例あり,それ以前の3 シーズンの平均入院数5.3 例(5~6 例)と比較して著明な増加を認めた.そこで,2011/2012 シーズンの入院例について臨床的に検討した.2009/2010 シーズンはinfluenza(H1N1)2009 の流行により若年者のウイルス性肺炎による入院例が多数報告されたが,2011/2012 シーズンは65 歳以上の高齢者が16/18 例(88.9%)と多数を占めた.主な入院理由は肺炎8 例,心不全5 例,気管支喘息発作3 例であった.肺炎合併9 例(1 例は入院後に発症)は,肺炎非合併9 例と比べ高齢(平均85.3±10.2 歳:71.4±16.1 歳,p<0.05)であった. 18 例中11 例ではインフルエンザワクチンを接種されており,肺炎合併例9 例でも6 例で接種されていた.発症からノイラミニダーゼ阻害剤内服までの期間は,肺炎合併例で1.8±1.1 日,肺炎非合併例で2.1±1.5 日と有意差を認めなかった.17 例は軽快退院したが,1 例はインフルエンザ改善後に誤嚥性肺炎で死亡した.ワクチン接種者でも多くの入院例を認めたが,予後は良好であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 89 (3), 382-387, 2015

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (6)*注記

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