市中病院における<i>Mycoplasma pneumoniae </i>の抗菌薬感受性および 臨床経過に関する検討

  • 堺 隆大
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科 福井県立病院呼吸器内科
  • 石田 直
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 有田 真知子
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 橘 洋正
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 吉岡 弘鎮
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 野山 麻紀
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 時岡 史明
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 伊藤 明広
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 古田 健二郎
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 西山 明宏
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院呼吸器内科
  • 橋本 徹
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院臨床検査科
  • 藤井 寛之
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院臨床検査科
  • 見理 剛
    国立感染症研究所細菌第二部
  • 中嶋 洋
    岡山県環境保健センター細菌科
  • 柴山 恵吾
    国立感染症研究所細菌第二部

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Clinical Course and Antimicrobial Susceptibility of <i>Mycoplasma pneumoniae </i>in a Community Hospital
  • 市中病院におけるMycoplasma pneumoniaeの抗菌薬感受性および臨床経過に関する検討
  • シ ジュウ ビョウイン ニ オケル Mycoplasma pneumoniae ノ コウキンヤク カンジュセイ オヨビ リンショウ ケイカ ニ カンスル ケントウ

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抄録

近年,小児科を中心にマクロライド耐性Mycoplasma pneumoniae 株の増加が報告されており,内科領域においても増加がみられている.2008~2012 年に肺炎マイコプラズマが検出された70 例の市中肺炎患者を対象に,抗菌薬感受性および臨床経過に関して検討を行った.2003~2006 年の検出株ではマクロライド耐性株を認めなかったが,今回の検討では,M. pneumoniae70 株中46 株(65.7%)がマクロライド系薬剤耐性23 SrRNA 遺伝子変異株(A2063G)であり,近年の耐性化傾向を裏付けるものであった. マクロライド耐性株の臨床経過について検討を行ったが,マクロライド耐性株検出例は感受性株検出例に比較し,発熱期間の延長を認めたものの入院期間の有意差は認めなかった.初回使用抗菌薬に感受性のあった場合の発熱期間とマクロライド感受性株の発熱期間はともに約7 日であり,発熱期間は,マクロライド耐性か否かより,初回抗菌薬に感受性があるかどうかに依存すると考えられた.また,耐性株であっても,感受性のある抗菌薬未使用で軽快した例も多く認められており,重篤化や入院期間の延長は認めなかった.よって,マクロライド系薬は,現在においてもマイコプラズマ肺炎の第1 選択薬として可と考えられ,発熱が続き全身状態が改善しない時に薬剤変更を検討してもよいと思われる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 89 (4), 458-464, 2015

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (14)*注記

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