重複腎盂尿管における尿管全摘出法

書誌事項

タイトル別名
  • THE METHOD OF TOTAL HEMINEPHROURETERECTOMY
  • Application of Mucolysis
  • 粘膜抜去術の応用

この論文をさがす

説明

重複腎盂尿管は, 比較的よく経験される疾患の一つであり, このなかには無症状のまま偶然に発見されるものから, 新生児期より腹部腫瘤・尿路感染症などの症状で発症し早急な処置を必要とするものまで様々なものがある. 最近我々は, 胎児エコーにより発見された2例の重複腎盂尿管の症例を経験した. 1例は左完全重複腎盂尿管, 左上半腎無機能腎・水尿管・尿管瘤, 左下半腎水腎水尿管, 右VURの症例であり, 他の1例は右完全重複腎盂尿管, 右上半腎無機能腎・尿管異所開口, 右下半腎VURであった. いずれの症例も, 姉妹尿管に障害を及ぼすことなく上半腎所属尿管を全摘することは困難であり, 上半腎所属尿管の粘膜下層で剥離を行いこれを抜去する方法 (mucolysis) により尿管の全摘を行った. この方法は, Hirschsprung disease で Soave 氏手術を行う時に用いる方法に準じたものである. 先ず, mucolysis を開始する部位の尿管にスピッツメスで粘膜下層までの横切開をおく, この部位から鋭・鈍的な剥離を全周性に進めていくと, 尿管は粘膜層のみで上下が連がることになる. そして, この部位の外膜・筋層を4方向より支持し, 鋭・鈍的な剥離を下部の尿管全長にわたり行っていく. この方法であれば, 姉妹尿管に対して障害を及ぼすことなく尿管の全摘が可能となる.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ