陰茎動脈病変の評価

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タイトル別名
  • COMPARISON OF DIGITAL SUBTRACTION ANGIOGRAPHY, CT ANGIOGRAPHY, AND ULTRASONIC DOPPLER EXAMINATION IN THE EVALUATION OF PENILE ARTERIAL LESIONS
  • DSAとCT angiography, 超音波ドプラーの比較

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説明

(目的) この研究の目的は内陰部動脈の描出力について CT angiography, 超音波ドプラ検査と従来の標準検査であるDSAとを比較することである.<br>(対象と方法) 動脈性勃起障害の患者18例にインフォームドコンセントの後, DSA, CT angiography, カラードプラ検査を施行した. CT angiography は陰茎海綿体内にプロスタグランディンE1を投与した後, 造影剤を急速に静脈投与して撮影を行った. 左右の内陰部動脈, 海綿体動脈についてDSA像と比較した. 海綿体動脈については超音波検査成績との比較も行った.<br>(結果) 18例, 計36本の内陰部動脈のうちDSAでは22血管が正常像, 14血管が異常像と判断された. CT angiography では15血管で正常像, 21血管で閉塞像を示した. DSA所見に対する CT angiography の感度, 特異度, 精度はそれぞれ1.00, 0.68, 0.81であった. 海綿体動脈やさらに細径の動脈の描出についてはDSAの描画能力が優れていた. しかし CT angiography で得られる骨盤下方から観察した画像や矢状断面を内側下方から観察した画像は特に恥骨部の内陰部動脈の描出に優れていた. CT angiography の所見は超音波検査装置で測定された収縮期血流速度により診断よりも優れていた. 各検査の施行に重大な合併症は見られなかった.<br>(結論) CT angiography の所見はDSAの所見と相関が認められた. CT angiography は微細な血管の描出においては, DSAに及ばないが, 陰茎の動脈の評価に有用な画像を提供することが可能である. 撮影条件の改良によって CT angiography は陰茎の動脈病変の診断においてDSAに代わりうると期待される.

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参考文献 (22)*注記

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