陰茎海綿体脚部結紮術の手術成績

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  • POSTAPERATIVE RESULTS OF LIGATION OF CRURA PENIS FOR IMPOTENTS WITH CORPORAL VENO-OCCLUSIVE INSUFFICIENCY

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1987年10月から1991年4月までに corporal veno-occlusive insufnciency が存在するが, 流入系および神経系の異常の存在しないインポテンス患者34例に対し陰茎海綿体脚部結紮術を施行した. 年齢は24歳から72歳 (52.6±12.7歳), 経過観察期間は1ヵ月から41ヵ月 (17.7±12.6ヵ月) であった. 陰茎海綿体脚部結紮術のみを施行した症例が6例, 深陰茎背静脈結紮術と同時に施行した症例が22例, 深陰茎背静脈結紮術施行後に陰茎海綿体脚部結紮術を施行した6例であった.<br>手術時間は全例1時間以内で, 合併症は4例に縫合不全, 19例に軽度の陰茎および会陰部のしびれが一過性に認められたのみであった. 1ヵ月後の成績は性交可能な勃起が得られるようになった著効18例, 塩酸パパベリン40mg陰茎海綿体内投与 (パパベリンテスト) にて完全勃起が得られるようになった有効13例, 無効3例であったが, 18例の著効症例のうち24ヵ月後に勃起機能が維持されたのは72.2%, 40ヵ月後には50%と次第に勃起機能が維持された症例は減少した. パパベリンテストが正常化した症例は1ヵ月で31例で, そのうち90%の症例は40ヵ月後にもパパベリンテストは正常であった.<br>静脈手術は流出系の異常に対する根本的な手術でないため, 無効例や再発症例が存在するのは当然であるが, 陰茎海綿体脚部結紮術や深陰茎背静脈結紮術は非侵襲的であり, 静脈手術を施行する場合は, 第一選択として有用であると思われたが, 症例の選択を厳密に行う必要があると考えられた.

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