膀胱癌を合併した陰嚢内膀胱ヘルニアの1例

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  • A CASE OF SCROTAL BLADDER HERNIA CONTAINING BLADDER CANCER

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抄録

70歳, 男性. 5年前に喉頭癌で喉頭全摘出術と両側鼠径ヘルニア手術の既往がある. 当時より排尿困難があり, 当科にて前立腺肥大症の診断で治療を行っていた. 1991年6月頃より顕微鏡的血尿があり, 膀胱鏡検査で膀胱腫瘍が認められて入院した. 膀胱造影で陰嚢内膀胱ヘルニア及び本来の膀胱内にも陰影欠損を認めた. 膀胱鏡検査でヘルニア内と右尿管口部に一致して腫瘍を認め, 生検では移行上皮癌であった. 排尿時膀胱造影では排尿はスムーズで, 残尿は認めなかった. 1991年10月25日, 腫瘍を含むヘルニアの切除と右尿管口部の膀胱部分切除術, 右尿管膀胱新吻合術及び右鼠径管の形成術を施行した. 術後経過は良好で術後40日目に退院した. 膀胱腫瘍の組織型はTCC GlpT1a及びG1>G2 pT1bであった. 膀胱ヘルニアの本邦報告例35例及び膀胱癌を合併した膀胱ヘルニアの8例 (うち外国例は5例) を集計し文献的考察を加えた.

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