前立腺肥大症に対する経尿道的高温度治療の臨床成績

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  • TRANSURETHRAL RADIOFREQUENCY THERMOTHERAPY FOR BENIGN PROSTATIC HYPERPLASIA

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抄録

近年前立腺肥大症に対する多種にわたる治療が登場し多くの施設でその検討が行われてきている. 当院でも38名の前立腺肥大症患者にサーメックスII (ダイレックス社製・イスラエル) による高温度治療を行いその有用性を検討した. 治療は経尿道的に電極付16Frバルーンカテーテルを挿入し設定温度・47~47.5℃, 時間90分の単回治療とした. 治療評価は治療前, 治療4, 12週後に自覚症状 (AUA symptom score), 他覚的所見 (最大尿流量, 残尿量) の検討を行った. Symptom score は治療12週後には80% (20/25) に25%以上の改善が認められ, その平均は治療前15.4±4.9 (mean±SD) から12週後には7.3±5.2と有意に減少した. 最大尿流量は治療前後の平均値には大きな差は認められなかった. 治療中は熱感, 尿意を訴えるのみで治療後尿閉のためカテーテルの留置を必要としたものは9例で内1名は治療後抜去不能となり8週後に前立腺摘出術を施行した. 治療翌日から8週後の4症例について行った組織学的検討では出血, 炎症の所見は認められたが熱性壊死は認められなかった.<br>経尿道的前立腺高温度治療は安全かつ簡便で前立腺肥大症の治療の選択枝の1つになりうると思われた.

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