膀胱尿管逆流に対する乳児期逆流防止術とその成績

DOI PubMed 被引用文献4件 参考文献20件 オープンアクセス
  • 島田 憲次
    大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科
  • 細川 尚三
    大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科
  • 松本 富美
    大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科
  • 紺屋 英児
    大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科
  • 松本 成史
    大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • RESULTS OF ANTIREFLUX SURGERY IN INFANTS WITH VESICOURETERAL REFLUX

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説明

(背景と目的) 膀胱尿管逆流 (VUR) に関する最近の話題の1つに, 疾患がこれまで以上に早期に発見されるようになったことが挙げられる. 私たちは新生児乳幼児に発見された高度の原発性VURに対し早期の逆流防止術を加えており, この年齢での手術治療の是非を検討した.<br>(対象・方法) 私たちが取り扱った原発性VUR350例の内, 1歳未満の乳幼児期に逆流防止術を加えた51例86尿管の臨床事項と治療経過を検討した.<br>(結果) 発見のきっかけはUTIが80%を占めており, その1/4は新生児期に初発していた. 出生前に水腎症が指摘されたのは7例, 新生児期のエコースクリーニングで発見されたのが2例あった. VUR-grade をみると, grade-IV~Vの高度逆流が79%を占めていた. 腎実質病変は手術時には既に74%の腎に認められ, とくに高度逆流では87%と高率であった. 逆流防止術は早い子供では生後1ヵ月から加えており, 平均すると5.6ヵ月であった. 患者の体重が最も軽かったのは2,500gであった. 術式は Cohen 方を多用しており, 75/86尿管 (87%) に施行した. その他, Hutch 憩室を合併した症例や逆流が軽い場合にはPL法や Glenn-Anderson 法を適宜応用している. 術後6ヵ月以上経過が追われている49例では逆流の再発は認められず, 軽い吻合部通過障害が1尿管に認められるのみであった. 術後に有熱性UTIを発症したのは2例であった.<br>(結論) 小児泌尿器科医の熟練した技術と管理により, 新生児・乳児期に発見された高度VURに対しても安全かつ確実な逆流防止術が行い得ると考えられる.

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参考文献 (20)*注記

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