自己導尿用親水性カテーテルキットの開発

書誌事項

タイトル別名
  • DEVELOPMENT OF NEW HYDROPHILIC CATHETER KIT FOR SELF-CATHETERIZATION
  • STUDY IN PEDIATRIC CASES
  • 小児例での検討

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説明

(目的) 学童期以降の小児の自己導尿管理を高めるために, 親水性カテーテルを含むポケットサイズのカテーテルキットを開発しカテーテルの潤滑特性と臨床上の有効性を評価した.<br>(対象と方法) ポケットサイズのフィルム容器内に親水性コーティングしたポリウレタン製カテーテルと滅菌水入りパックを一緒にパッケージすることでキット化した. カテーテルの潤滑特性は摺動抵抗の測定により評価した. 臨床評価にあたって対象は全国17施設で自己導尿を施行している6歳以上の男児とした. 同意の得られた32名 (平均年齢11.6歳) にカテーテルキットを1週間連続使用してもらい, 使用前後で評価スコアによるアンケート調査を行うとともに尿沈渣, 尿培養検査を施行した.<br>(結果) 親水性カテーテルの摺動性は現行のカテーテルに潤滑剤を塗布した場合と同等もしくはそれ以上の良好な値を呈した. 5段階評価スコアによる従来型カテーテルとキットの比較では携帯性, 操作性の2点で有意にキットの評価が高かった. 挿入性に関しては有意差を認めなかったが, キットでは抜去時に尿道に引っかかるという意見を複数認めた. 総合評価では有意にキットの評価が高く, 32名中30名 (94%) が継続して使用したいという希望を示した. 尿検査ではキット使用後に臨床上問題となる血尿の増加や新たな顕性尿路感染は認めなかった.<br>(結論) 親水性カテーテルキットは, 従来のカテーテルにくらべ多数の小児で自己導尿時の満足度が高く, 患児のおかれた状況によっては自己導尿を長期継続していく上で有用であると考えられた.

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参考文献 (5)*注記

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