前立腺癌に対する低線量率イリジウムを用いた密封小線源治療

書誌事項

タイトル別名
  • THE BRACHYHERAPY WITH LOW DOSE-RATE IRIDIUM FOR PROSTATE CANCER

この論文をさがす

説明

(目的) 本邦での密封小線源治療 (小線源治療) は放射性物質の体内永久留置が法律により厳しく規制されているため, 主に高線量率イリジウムを用いた一時的留置法が数施設で施行されているにすぎない. 前立腺癌に対して低線量率イリジウム (LDR-Ir) を用いて小線源治療を施行している施設は当施設だけであり, 本研究においてこの治療法の臨床成績について検証する.<br>(対象と方法) 1997年12月から1999年12月まで組織学的に前立腺腺癌と診断された26症例 (Stage B 92%; Stage C 8%) に対して小線源治療を施行した. 23例は小線源治療単独 (1例は neoadjuvant 療法を施行), 3例については小線源治療と外照射放射線治療 (ERT) の併用を行った.<br>(結果) 小線源治療単独群では2から26ヵ月の経過観察期間において, 治療前PSA値が20ng/ml以上の9症例中8例がPSA failure となり, 20ng/ml未満では13例すべてにおいてPSA failure が見られなかった. Gleason's score 7以上の11例のうち8例にPSA failure を認めたが, 6以下の14例は, すべてにおいてPSA failure が見られなかった. 併用療法群では4から9ヵ月の経過観察期間においてPSA failure を認めなかった. 全症例の経過中, 重篤な合併症は認められなかった.(結論) PSA値や Gleason's score によって症例を厳密に選択することができれば, LDR-Irを用いた小線源治療は有効な治療となりうることが本研究から示された.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ