Studer 式変法代用膀胱造設術の経験

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  • CLINICAL EXPERIENCE WITH MODIFIED STUDER'S BLADDER SUBSTITUTE

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Studer 式代用膀胱造設術に若干の変更を加え, 膀胱腫瘍患者に対して尿路変更術を行った. 方法: Studer 式代用膀胱造設術の特徴は, 脱管状化した回腸で Pouch を造設し, その中枢側に管状回腸を20cm残し, その断端に尿管を単純に吻合する方法である. 我々の行った変法―前立腺部分切断―は, 前立腺を末梢側1/3~1/4残して切断した後, 前立腺の肥大があれば残存前立腺組織と前立腺部尿道を用手的に摘除する (II型) か, あるいは前立腺部尿道を残して, 残存前立腺組織を鋭的に切除する方法である (III型). この Studer 式変法は, 単純な術式で, 手技が容易であり,中心静脈を処理する必要がなく出血の危険が少ない方法である. なお1例目に対しては, 原法どうり前立腺全摘除を行った (I型). 最後に pouch の最下端と尿道断端を吻合した. 結果と結論: 7例を経験したが臨床結果は次の通りであった. 1) 患者は尿道から排尿し満足している. 2) 退院後腎盂腎炎の発症はない. 3) 尿路感染症を認めない. 4) 65歳以下の5例中4例で勃起力が保持された. 5) 最大排尿率は症例により4.2~33.6ml/secであった. またII型 (3例) の平均は13.0±1.3ml/secであるのに比して, III型 (3例) は, 24.5±6.9ml/secであった. 6) Pouch と直腸内圧の同時測定の結果, 排尿中の両内圧はほぼ等しく Pouch が充満しても内圧差は45cmH2Oを越えることがなかった. 7) 7例とも昼間の尿禁制は保たれていたが, 夜間は3例に尿失禁が認められ, その程度は夜間に排尿する事で軽快した.

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