経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) 後における性交渉喪失例の背景因子の分析

書誌事項

タイトル別名
  • THE BACKGROUND FACTORS INFLUENCING LOSS OF SEXUAL INTERCOURSE AFTER TRANSURETHRAL RESECTION OF THE PROSTATE (TUR-P)
  • A Study Using the Sapporo Medical University-Questionnaire
  • 札幌医大式性機能質問紙による検討

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説明

(背景と目的) TUR-Pを受けた患者の手術後の性機能障害は勃起能を含めた多要因によって引き起こされると考えられるが, 手術後の性交渉喪失に関与する要因を性機能質問紙を用いて分析した.<br>(対象および方法) TUR-P術後患者1,000例に札幌医大式性機能質問紙を郵送, その回答成績を用いて手術後性交頻度不変群と性交渉喪失群とで比較検討し, 性交渉喪失に寄与する因子を重回帰分析を用いて検討した.<br>(結果) 手術後の自覚的性欲得点および自覚的勃起能得点は一般健康男子と比較して低下傾向にある症例が多かった. 性交頻度で手術前後の性行動を評価し, 性交頻度不変群と性交渉喪失群と2群に分けて質問紙上で得点を比較検討したところ, 年齢, 知覚障害得点, 心血管系障害得点, 仰うつ症状得点, パートナーの協力性, 性欲得点, 勃起能得点, 夜間頻尿の程度, 残尿感の程度, 尿意切迫感の程度で有意差を認めた. 性交渉の喪失に寄与する因子を重回帰分析にて検討したところ, 高い寄与率を示したものは50~69歳で勃起能得点, パートナーの協力性, 残尿感得点, 知的障害得点であり, 70~89歳では勃起能得点, パートナーの協力性であった.<br>(結論) 年齢にかかわらずTUR-P術後患者の性交渉の維持には, 自覚的勃起能のみならずパートナーの協力性によるところが大きいと考えられた. また, 比較的若年症例では排尿状態や不定愁訴得点も性交渉の維持に重要であると考えられた.

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