二分脊椎症例における膀胱尿管逆流症に対する経尿道的コラーゲン注入療法

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タイトル別名
  • EFFECT OF TRANSURETHRAL COLLAGEN INJECTION FOR VESICOURETERAL REFLUX IN PATIENTS WITH SPINA BIFIDA
  • 近接効果に関する検討

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抄録

(目的) 二分脊椎症患者の膀胱尿管逆流症 (以下VUR) に対しコラーゲンによる内視鏡的逆流防止術を行いその効果について検討した.<br>(方法) 国際分類にて, grade II以上のVURに対し, コラーゲンによる内視鏡的逆流防止術を行った. 術後3ヵ月以上経過観察 (平均5ヵ月) しえた男性6例, 女性8例 (平均14.4歳) 22尿管を対象とした. 術前全例に対しコラーゲン皮内反応を行い全例陰性である事を確認し, IVP, CG, UDSを施行した. 術後は原則として1, 3, 12ヵ月, 以後1年に一度のCGにてVURの再発を調査した.<br>(結果) 4症例が無麻酔で行い得た. コラーゲン注入による副作用は認めなかった. 1回の注入にてVURが消失したものは, 17尿管 (77%), 2回の注入にて消失したものは2尿管 (9%)であった. 初回注入による治療効果を尿管口の形態, VURの grade, 膀胱コンプライアンス, detrusor hyperreflexia の有無にて比較したが, 明らかな関係は認められなかった.<br>(結語) 二分脊椎症例のVURに対するコラーゲンによる内視鏡的逆流防止術は, 簡便で患者に対する侵襲も少なく, 短期成績では十分な効果が得られたが, 再発の問題もあり, 長期成績を十分に検討した上で, 二分脊椎症例のVURに対する治療における本治療法の位置付けを考えていくことが重要であると思われた.

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参考文献 (21)*注記

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